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薬と病気

そもそも重い病気の治験というのは、結構、大変だ。

例えば抗がん剤の治験。

治験に参加された患者さんの状態にもよるのだが、重篤な有害事象が、少なくない。(他の治験薬と比較してね。)

治験薬の副作用で重篤な有害事象が出たのか、それとももともと有った癌によるものか、見極めが難しい。

もちろん、動物実験などで、あきらかに副作用と分かっているものも有るが、人間に使った場合はどうなるかは、完璧に把握できてるわけではない。

だから、抗がん剤の場合はフェーズ1でがん患者さんに参加してもらう。
ごく低用量から徐々に用量をアップさせていく。

その過程で副作用を見つけていくというステップを取らざるを得ない。

ごく低用量の患者さんは、薬効すら期待されないかもしれない。
そして高い用量の患者さんには、重篤な副作用が出る可能性が有る。
その副作用を見極めるために治験をしている、という言い方も有る。

厳しい治験だ。
僕個人としては、倫理的に葛藤に苦しんだことが有る。

一度、抗がん剤の治験を担当すると、倫理的、安全性、人権の保護、というGCPの条文に書かれている文字を、身をもって考えるようになる。

その治験を行う企業とモニターの責任は重い。


そして、そのモニターを教育する僕の責任も、これまた重い。

企業の利益を優先させるか?
治験の人権を優先させるか?

一人を助けることと、一千万人を助けることと、どちらが重いか?

永遠の課題だろう。
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by horai_japan | 2005-02-13 13:11 | 治験